環優舎で、大切にしていることの一つに食卓でのマナーがあります。食卓でのマナーは本来ならば親が家庭できちんと躾けるべきものです。でも、保育施設で子供をお預かりして食事を出すのであれば、保育施設でも食事の躾けをする責任があると私は考えています。環優舎にときどき遊びに来るお子さんのお箸の持ち方を注意することはしませんが、環優舎でお預かりしている子供たちには、親御さんに代わり毎日の食事の都度注意をしています。
環優舎では、口に食べ物があるときは話さない、姿勢よく、お椀を正しく持つ、お箸は箸置きに置く...などとステップ順にマナーを習得していきます。出来ることから一つずつやっていき、箸の上げ下げや、和風・洋風の食事の配膳まできちんとできるようにしています。
環優舎ではお箸は上手に使えるだけではダメで、正しく持てないとなりません。お箸が正しく持てない子どもとは、遊びの時間にお箸でいろいろなものをつまむ練習をします。
つい最近も、クチャクチャと口を空けながら食事を噛んでいる子どもと向かい合って食事をし、口を空けずに食べられた回数を数えるゲームをしました。初日の食事はとても時間がかりましたがきれいに食べられたので、お皿を下げながらとても機嫌がよく、「今日はなんか気持ちいい〜」とその日はずーっとニコニコしていました。二日目からは自分から口を閉じて噛んだ回数を数えていました。一週間もすれば習慣になるでしょう。「来週からは次のマナーに進める♪」ととても嬉しそうにしています。
保育現場や学校の映像として子どもたちの食事風景がよくテレビに流れますが、他所様のお子様だから微笑ましいけれど、わが子だったら恥ずかしくて見ていられないというシーンが多くあります。「いただきます」「ごちそうさま」を言って、残さなければちょっとふざけていてもOKというご家庭はないでしょう。なぜ先生方はきちんと注意なさらないのかしら?
躾けは家庭で...と私も思います。でも、保育施設でも家庭と同様に躾けの手を緩めてはいけないと思います。そんな思いが私を環優舎設立へ駆り立てたのかもしれません。環優舎には外部からマナー講師がやってきてコース料理をいただくような華やかなイベントはありませんが、子供たちの食事のシーンをいつ見られても恥ずかしくないよう、ご家庭と変わらない一貫した躾けをしています。