2010年08月06日

Affective Filter

外国人指導員が来て一年近くになります。英語の授業が大嫌いで最初は頑なに外国人の先生を避けていた子が、いつの間にか先生と笑いながら会話をするようになりました。去年は側に行くとすーっといなくなる、目を合わせない、英会話をやっている友達を遠巻きに見ている感じでしたが、徐々に慣れてきて、先日は自分から膝に飛び乗ってきたと先生がうれしそうに報告してくれました。

英語を学ぶ際に避けて通れないのが、しゃべれない恥ずかしさ。間違えることを恐れて緊張して、英語が頭の中に入ってこなくなることを英語教授法ではaffective filterと呼びます。間違ったことを言って恥ずかしい思いをしたくないと誰もが思っていますが、英語の上達には安心して間違えることができる環境がとても重要です。

環優舎は外国人も、バイリンガルの子供たちもいるある意味過酷な環境です。はじめて英語に触れる子は最初のうちは「私、英語できない」と落ち込むこともあります。私たちはこのとき、英語を無理強いすることもしませんが、英語が出来ない子がいるから日本語だけで話そうという特別な情けもかけません。その子の不安に理解を示しつつも、普通に(環優舎の場合バイリンガルが普通の環境です)接するようにします。最初は英語は嫌だなぁと避けていても、低学年の子供たちは毎日外国人の先生と過ごすうちに、いつの間にかほとんどのことを理解できるようになっていきます。そうなるともう英語を避ける理由はなくなります。英語が上手な人がいるのも、ぜんぜん出来なくて四苦八苦している人がいるのもあたり前の環境の中で、自然と自分なりのポジションを見つけていきます。

これはいわゆる帰国子女の場合と少し似ています。海外へ引越しをすると、最初は日本人のバイリンガルの友達が出来るのですが子供は大人のように気が利かないので、ちょっとは通訳をしてくれるけれどあまり親切ではありません。最初は自分だけ現地の言葉が出来ないことに居心地の悪さを感じつつも、周囲の人と打ち解けていくにつれ失敗する恐怖が少なくなっていき、下手でも現地の言葉で話しはじめると経験値があがり急速に話せるようになっていきます。周囲を気にせずに話せるようになることが最初の大きな試練なのです。

グループレッスンでは発言できないけれど、個人レッスンなら安心して話せるという人も多いのではないでしょうか。個人レッスンはaffective filterを取り除き安心して英語を練習するには有効な指導方法だと思います。でも、いつかは教室を出て周囲の人の前でも臆せずに英語を話せるようにならねばなりません。

英語が上手でないことを引け目に感じるようなAffective Filterが強かった子が1年かかって、今は先生とふざけて大笑いしながら英語をやっています。周囲の目も何も気にしていません。すぐ側でバイリンガルのお友達が英語の小説を読んでいても平気です。必要なときに、堂々と英語で発言できる素地が出来つつあります。大人でも克服困難な大きな壁をクリア出来たことをうれしく思い、今後が楽しみです。
posted by 環優舎 at 00:39| Comment(0) | きまぐれ日誌/Journal
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