2000年01月01日

調理師さんのこと

環優舎には調理師さんが1名いて、おやつと夕食をつくるために午後中ずっと台所に篭っています。高級な有機食品を使った宅配弁当などもある中、環優舎のような少人数の施設で、調理人を置くのは贅沢なことです。それでも調理人がいるのは、毎日、毎日、誰かが台所に立たないと食事が出てこない。そんな当たり前のことを伝えたいからです。

環優舎では、子供たちは帰ってくると真っ先に台所にいる調理師さんに「今日のおやつは?」「晩御飯は?」と聞きに行きます。何か面白そうな作業をしていて子供たちが手伝うこともよくありますが、調理師さんと遊びたくても「食事の準備中だから」と手が離せないこともままあります。おやつも夕食も、いわゆる既成の便利な調味料を使わないでつくるので時間がかかるのです。子供たちがどうしても調理師さんと遊びたがるときは、代わりに指導員が野菜を切っていることもあります。

子供たちは自然に誰かが食事をつくらねばならないことを学びます。そして食事が一瞬には出来ないことも知っています。調理師さんの顔が見え、一生懸命調理している姿を見ているので、好き嫌いや食べ残しも申し訳なく思う気持ちになります。

先日、安部司氏の講演を聴く(観る?)機会がありました。食品添加物を使って、沢庵の着色から、甘味飲料、ラーメンのスープ、コーヒーミルク、イクラまでいろいろなものを作る実演をしてくださいました。本を読んでいたので、その通りの実演なのですが、目の前で何もないところから次々と食品が作り出される様子はなんとも不気味でした。

安部氏曰く、便利に安く見栄えよく..と追求していくとどうしても添加物に頼らざるを得なくなってしまうそうです。温めるだけ、そのまんま。今日の暮らしでは調理の場面をあまり見ることなく、魔法のように食べ物が出てくることがよくありますが、本来お料理は時間がかかるものなのです。加えて、着色料や保存料を使用していない分、見栄えも劣ります。

夕飯までの時間、調理の音、台所の匂い、家庭料理の彩り、などが生活の記憶として子供たちの五感の中に残ってくれたらなと願いつつ、環優舎では今日も調理師さんが台所に立っています。
posted by 環優舎 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 概要/About Us
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/3435066
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック